Column コラム

2024.09.30

遠隔読影の比較基準とは?サービス内容・注意点など解説

遠隔読影の比較基準とは?サービス内容・注意点など解説

診療に必要な画像診断を委託することで、現場の医師の負担が軽減されるとして、遠隔読影サービスの市場は拡大傾向にあります。

遠隔読影を提供している会社が数多くあるため、実際に導入を検討するにあたり、何を比較すれば良いか迷いますよね。

そこでこの記事では、遠隔読影を選ぶときの比較ポイントや、確認すべきサービス内容などについて解説します。遠隔読影を導入するときの手順までお話ししますので、どのように比較すると良いかわからずお困りの方はぜひ最後までご覧ください。

遠隔読影とは

遠隔読影とは

遠隔読影(えんかくどくえい)は、診療で撮影した画像の読影を、外部の企業や病院に依頼できるサービスです。遠隔読影サービスを提供する企業や病院は年々増加しており、2022年度の市場規模は155億円と盛り上がりを見せています。

病院・クリニックや検診センターなど画像診断を必要とする医療機関で活用されており、読影医不足を解消したり、経験豊富な専門医に依頼したりできる点が魅力です。

また、遠隔読影と似た用語で「遠隔画像診断」がありますが、どちらも大きな意味の違いはありません。

遠隔読影の仕組み

企業に遠隔読影を依頼する際には、まずCT検査やMRI検査、X線検査などを医療機関で実施します。そして、各検査機器で撮影した画像を企業に送信し、企業に在籍する放射線や各診療科の専門医師に読影してもらいます。読影した医師はその後、結果や所見、推奨される治療法などを記載したレポートを作成します。

作成されたレポートはネットワークを通じて医療機関に返送され、これを診療に活用できる仕組みです。遠隔読影サービスを利用することで、医療機関で医師が読影をする手間を省けるメリットがあります。

遠隔読影の比較基準

遠隔読影の比較基準

企業が提供している遠隔読影サービスを比較するときは、以下の内容を確認のうえ検討することをおすすめします。

  • 対応している検査内容
  • レポート返送までの時間
  • データ管理システムの提供形式
  • オペレーター相談や緊急対応の有無

それぞれ詳しく解説していきます。

対応している検査内容

遠隔読影サービスを比較するときは、対応している検査項目を確認する必要があります。遠対応している検査はサービスによって異なるため、依頼したい検査が含まれているかは重要な比較ポイントです。

CT検査やMRI検査だけでなく、マンモグラフィや、胸部単純検査画像、胃部造影検査画像、検診画像など、必要な画像検査が含まれているか確認しましょう。放射線診断専門医が在籍していると、読影の精度が高いことが予想されるため、その点も確認するのがおすすめです。

レポート返送までの時間

依頼からレポート返送までの時間も、遠隔読影サービスを比較するときに確認したい項目です。医療機関によっては返送までの時間が長いと、診療に支障をきたす可能性もあるでしょう。

レポート返送までの時間は数時間〜数日ほどと企業によって幅広く、別途料金を支払えば、早めに返送してもらえる場合もあります。ホームページに記載されている内容や、見積もり時の面談で確認してみましょう。

データ管理システムの提供形式

遠隔読影サービスによって提供しているデータ管理システムの形式が異なるため、その点についても比較するのがおすすめです。形式はサーバーやハードウェア、専用回線などを依頼する医療機関内に設置してサービスを提供する「オンプレミス型」と、外部のITサービスを導入してインターネット上でサービスを提供する「クラウド型」があります。

オンプレミス型を選ぶとセキュリティをより高められる反面、準備の期間が長くなったり、初期費用が高くなったりする欠点があります。初期費用をできるだけ抑えたい場合や、依頼が一時的もしくは不定期になることが見込まれる場合には、クラウド型を選ぶと良いでしょう。

オペレーター相談や緊急対応の有無

遠隔読影サービスの使用中に不明点があった場合や、データ管理システムが突然動かなくなった場合などのサポート体制を確認のうえ比較しましょう。早急なトラブル対応は、日々の臨床を滞りなく進めるのに必要不可欠といえます。

また、夜間や土日祝も診療している医療機関の場合は、24時間365日対応できるかも確認することをおすすめします。指定の時間外の対応は追加料金が発生する可能性もありますが、すぐに相談できる体制が整っていれば現場のスタッフも安心できるでしょう。

遠隔読影のサービス内容

遠隔読影のサービス内容

企業が提供している遠隔読影サービスでは、導入前のお試しサービスや、契約や導入時にかかる費用の無償化を実施している場合があります。また、導入後には夜間・土日祝の時間外の対応や、放射線診断専門医による説明、二重読影やAIによるダブルチェックを実施している場合もあります。

遠隔読影の導入を検討するときは、これらのサービス内容も比較すると良いでしょう。

導入前のお試しサービス

導入前にサービスをお試しできる遠隔読影サービスもあります。比較時にどの遠隔読影を導入するか迷う場合は、お試しサービスをしてみるのも良いでしょう。お試しサービスは無料で提供している企業も多いです。

初期費用や導入費用の無償化

初期費用や設備の導入にかかる費用、月額費用などを無料にしているサービスもあります。読影依頼に応じてそのぶんの料金を支払うシステムで、毎日一定の枚数を依頼する場合は、割高になる可能性がありますが、不定期に遠隔読影を依頼するケースや手軽に始めてみたいケースに向いているかもしれません。

夜間や土日祝の読影対応

夜間や土日祝の時間外の読影にも対応しているサービスがあります。夜間診療や入院病棟がある医療機関では、緊急を要する検査を実施することも予想されるため必要となるでしょう。ただし、時間対応は追加料金が必要になることも多いため、見積もり時に必ず確認しておきましょう。

放射線診断専門医による説明

読影結果に不明点があるとき、放射線診断専門医に直接質問できるサービスもあります。メールや電話を使用して読影した専門医師と直接連絡を取り、不明点を解消できます。直接連絡の対応時間はサービスによって異なるため、比較してみましょう。

AIや複数の医師によるダブルチェック

AIや複数の医師によるダブルチェックがおこなわれるかというのも比較したいポイントです。複数の視点からチェックすることで、読影の見落としを防ぎ、より信頼性の高い結果が得られます。

遠隔読影サービスの導入手順

遠隔読影サービスの導入手順

遠隔読影サービスの利用を開始する場合は、さまざまな企業から出された見積もりやサービス内容を比較のうえ契約した後、下準備をおこなう必要があります。サービスを決めて契約しても、すぐに読影を依頼できるわけではないため注意しましょう。

問い合わせ

依頼したい検査内容やサービスが稼働している時間帯、緊急対応の有無などの希望する条件を明確にして、当てはまる遠隔読影サービスを調べてみましょう。気になる遠隔読影サービスの企業を見つけたら、電話や公式ホームページの問い合わせページから連絡します。比較検討するために、複数社とコンタクトを取るのがおすすめです。

見積もり

見積もりでは、読影を依頼する頻度や、データ管理システムなどの導入の有無、使用したいサービスなどをすり合わせながら、導入時期や費用について提示を依頼します。見積もりのために対面でヒアリングが実施されるケースも多いため、不明点が残らないよう何でも質問しましょう。複数の見積もりを比較して契約先を決めます。

導入・初期設定

導入する遠隔読影サービスと契約を結んだら、下準備に入ります。データ管理システムや各種ソフトの導入、端末の連携作業、その後の初期設定などは、お任せできるケースが多いです。

ネットワークがオンプレミス型だったり、複数の端末で連携する必要があったりする場合は、導入や初期設定に時間がかかることもあります。導入してからサービスを開始するまでの時間を見積もり時に必ず確認しておきましょう。

遠隔読影を導入するときの注意点

遠隔読影を導入するときの注意点

企業の遠隔読影サービスを導入するときは、以下の注意点について知っておく必要があります。

  • 画像診断管理加算の算定ができない
  • 初期費用や導入費用の幅が大きい
  • 個人情報管理に配慮する必要がある

以下で詳しく解説していきます。

画像診断管理加算の算定ができない

画像診断時に企業が提供する遠隔読影サービスを利用する場合は、画像診断管理加算の算定はできません。画像診断管理加算は、放射線の専門医師などが画像診断をおこなう医療機関に対して認められる加算です。

今まで画像診断管理加算が算定されていた医療機関でも算定できなくなるため、注意しましょう。

h3初期費用や導入費用の幅が大きい

月額費用や読影費用などのランニングコストは、読影を依頼する回数などである程度の費用に定まりますが、初期費用や導入費用の幅は大きいです。ネットワークの形式や院内端末のサービス連携、導入するシステム内容によって、導入時に支払う金額は大きく異なります。

クラウド型で医療機関内のシステムとサービスの連携をおこなわない場合は5万〜10万円ほどで済むケースもありますが、院内の複数の端末でサービスが使えるように連携したりすると、数百万円かかる場合もあります。ホームページ上に掲載されている金額だけでは総額を判断できないことも多いため、見積もり時に詳しい金額を出して比較するのがおすすめです。

個人情報管理に配慮する必要がある

遠隔読影は患者の画像データや個人情報をオンラインで送信する必要があるため、プライバシーの保護にはより一層気をつける必要があります。データの送受信をするときは暗号化するのが一般的です。

読影を依頼するときは、必ず指定された手順を守って作業をすすめるようにしましょう。サービスを比較するときに迷った場合は、適切に個人情報を管理している事業者が取得できるISMSやプライバシーマークが付いている企業を選ぶと安心です。

まとめ

まとめ

遠隔読影サービスの導入を検討するときは、それぞれの遠隔読影会社で、費用面や対応している検査内容、レポートの返送までにかかる時間などを比較してみましょう。ネットワークの形式や夜間対応、緊急対応の有無なども、医療機関によっては必要になる項目でしょう。

遠隔読影には、時間外の読影対応や、導入時にかかる費用の無償化、読影医師との直接連絡、ダブルチェックなどのサービスが含まれているところもあります。実際に遠隔読影サービスを導入するときは、さまざまなサービスを比較する以外にも、画像診断管理加算の算定ができないこと、個人情報管理に配慮する必要があることについて学んでおきましょう。

イリモトメディカルの遠隔読影では、厚生労働大臣の薬事承認を得たAIを活用したダブルチェックを実施し、見落としを徹底的に予防しています。30名以上の放射線診断専門医や各科の専門医が在籍しているため、緊急を要する読影にも対応可能です。

無料のお見積りも承っておりますので、遠隔読影サービスの導入を検討している方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

<遠隔読影サービスの詳細はこちら>

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